【試行錯誤の連続】

幸か不幸かはべつとして、中国に来てしまった以上私もめでたくネット規制(検閲)システムの管理下です。
しかし、そのままではいろいろと不便です。
どうにできないかと思って、来た当初は、いろいろ試しました。

【1. HTTPプロクシを利用する】

プロクシは代理サーバのことです。
この代理サーバを使うとアクセスは下記のようになります。

自分のPC => 中国ネットワーク(中国電信) => 代理サーバ(例えば日本) => 見たいサイト/ページ(ニコニコ動画など)

確かに代理サーバ自体は海外にあるのですが、代理サーバを通る前に、中国の検閲システムに引っかかってしまいます。例えば、URLなどや検索キーワードに禁止文言などが入っていたり、サーバー名があるとアウトです。

『結論:☓』

【2. リモートデスクトップを利用する】

Windowsは標準でパソコンを遠隔利用出来るソフトがついています。
"リモート デスクトップ接続"とよばれるソフトです。これを利用すると、下記のようになります。

自分のPC => 中国ネットワーク(中国電信) => 接続先PC(例えば日本の自宅) => みたいサイト/ページ

この方法だと、実際にウェブサイトを開くのは接続先PCなので、日本にPCがおいてあれば日本で利用しているのとおなじになります。また、個人のPCの接続先(IPアドレス)が禁止されている可能性は低いので、完璧な解決方法といえます。しかし、この方法は次のような条件をクリアしなくてはいけません。

  1. 接続先PCは使うときに動いている必要がある(24時間稼働か自動起動する仕組みが必要)
  2. 接続先PCのIPを知る手段が必要 (動的IPと固定アドレスをヒモ付する仕組みが必要)
  3. リモートデスクトップ自体もパケットを発生させる(結果、利用帯域が狭まる)
  4. 接続先PCが停電などで落ちた場合、なにもできなくなる
日本であれば50Mbps以上が普通なので問題ありませんが、8MBで大容量(しかも、上下非対称)などと宣伝する中国の場合かなり辛いです。動画の再生などの場合、かくかくになり使用には耐え難かったです。

『結論:△』

【3. 代理読み込みサービスを利用する】

これは、Webページに限りますが代理で読み込みをしてくれるサービスを利用します。
仕組みとしては2に近いのですが、ブラウザを相手先で動かしているような感じになりますので、比較的簡易に動かすことができます。ただ、この手のサイトはほとんどないのと、広告などが非常に目障りです。

『結論:△』

【4. VPNを利用する】

VPNは、仮想プライベートネットワークのことです。
例えばですが、VPNサーバがアメリカにあると、あたかもアメリカのお部屋にいるような感じでネットワークが使えるようになります。この場合のネットワークの流れは…

自分のPC※1 => 中国ネットワーク(中国電信) => VPNサーバ(例えば日本)※2 => 見たいサイト/ページ(ニコニコ動画など)

同じように見えますが、※1と※2の間が暗号化されます。結果的に理論的に下記のようになります。

自分のPC => VPNサーバ(例えば日本) => 見たいサイト/ページ(ニコニコ動画など)

リモートデスクトップのように、無駄なネットワーク利用が無いので快適にネット利用ができます。

『結論:中国のネット規制(検閲)対策はVPN!』